地下室と採光の関係

特殊建築物以外の地階の居室には有効採光面積の規制がありません(法28条1項)ので、人工照明の検討が必要です。そこで採光について考えることが重要となります(暗室やホームシアターとして利用する場合でも)。
地下室は「暗い」というイメージがあるかと思いますが、ドライエリアやトップライトなどを用いることで十分な採光が取れます。代表的な採光タイプとその特徴を以下にまとめていきます。
ドライエリア

・前面は外気に面し、背面は土に面しているので前と後ろで環境条件が異なる
・ドライエリア側で換気が可能
・ドライエリア側で音の反射の影響が考えられる
・緊急時の避難においてドライエリアへの脱出は容易であるが、ドライエリアからの避難を考慮するべき
・雨水処理の配慮が必要
トップライト(天窓)

・歩行可能なトップライトを用いる場合は専門業者へ依頼する場合も
・防水、断熱、防音性能が高い
・換気、結露について考慮が必要
・開閉タイプであれば換気も可能
ハイサイドライト(高窓)

・半地下、一部地下の採光手段として有効
・居住空間としてやや閉鎖的
・高窓からの換気/通風が可能
・避難が困難
・地下室として遮音性が低くなる
・高窓の防水に配慮が必要
サンクンガーデン

・地下室として熱的安定性が低い
・換気面では上屋とほぼ同様の環境が得られる
・光空間としても上屋とほぼ同様
・緊急時の避難も地上とほぼ同様に容易である
・地下室の特性が薄れる反面、地下における問題点も少なくなる
・構造的に地階が1階とみなされる場合がある
このように採光にも用途に合わせた色々なタイプがありますので、事前にしっかりとした採光計画を立てることが重要となってきます。