地下室施工の工程2 -根伐・横矢板工事-
土工事は、重機で土を掘り下げながら、山留の親杭と親杭の間に、松の厚い板(横矢板)を入れてゆきます。鋼製型枠式地下室はあらかじめ
工場で先行配筋した地下室ユニットを製造して、現場に運び込みますから極端な話、地下室ユニットと山留との離隔距離は0でもよいのですが、 山留親杭は諸事情でまがって打ち込まれるケースもありますので、通常200mm程度とします。そこで、最低境界線から有効離隔距離500mm
以上としていただいています。民法でも第234条(境界線付近の建築の制限)で隣地境界線から外壁まで500mm離すように求められていますので、 隣家との良好な関係を維持するためにもこの規定を守るようにお願いしております。
最悪なケースは地下室ユニットを隣地境界から500mm未満の位置に据え付けた場合です。事前に了解を得ていればよいのですが、
据え付けた後で隣地から『民法どおり、500mm確保するように手直ししてください。』と言われた場合です。地下室ユニットは 工場で配筋まで済ませて現場に運び込みますから、現場施工のように簡単に手直しをすることは不可能です。隣地境界線から通り芯までの 離隔距離を600mmとしていただけば外断熱など特別外壁が厚くなっていなければ民法の500mmは確保できます。なお隣地境界沿いに
ブロック塀などの障害物があればその内側から有効距離で500mm確保をお願いします。