地下室施工の工程5 -現場配筋工事-
鋼製型枠による地下室は『特殊な構造』ではなく、構造設計上は一般的な『壁式鉄筋コンクリート構造』です。 ところで、上の動画でご紹介している地下室は天井スラブを無くし、耐力壁の下に鉄骨梁を渡すことで地下室外周の
土圧も受ける構造形式となっています。ところが法的には『壁式鉄筋コンクリート構造』は上部にスラブがあることが 原則であるので、昨今の建築基準法の厳格な運用の一環として『天井スラブ無の壁式鉄筋コンクリート構造』は 『小規模な地下室→深基礎とみなす』場合と『床面積に算入しない地下収納庫→床下収納』の場合にのみ認められる 扱いとなっています。
工場で製造された鋼製型枠を据付けた翌日から地下室屋内に土圧とコンクリートの側圧を受ける支保工がセットされ 数日後には埋戻しが完了します。埋め戻しには一般的には山砂が用いられますが、液状化の懸念もあるので砕石戻し
を標準としています。根切を開始して1週間で本体据付が完了しますので、地下室を掘ることに懸念を持つ近隣の 住民も、あっという間の地下室セットを目の当たりにして、現場を興味深々のぞかれてゆきます。 たまたま現場を通りがかった近隣にお住いのお客様から『これはいいね!』と発注を受けたケースもあります。
工場でどこまで先行配筋するかの基準は、土に埋まって現場作業ができない部分はすべて先行配筋を工場で 行います。現場施工部分は設計GLより上部の地下室外壁上部、天井スラブ、ドライエリア廻りとなります。
天井スラブは鉄板を工場で加工して本体据付と同時に取り付けが完了しますから配筋作業はスムーズに進みます。
部分的な地下室の場合は、地下室に接続して一般基礎となりますので、地下室工事では差し筋を挿入します。 また施工図にしたがって土台アンカー、ホールダウン金物も取り付けます。瑕疵担保履行法に基づく配筋検査に
合格すればいよいよコンクリート打設に移ります。